クレイジーリッチ(原題はCrazy Rich Asians)という映画を観ました。
タイトルから勝手に、超金持ちのアジア人がアメリカでブイブイ言わせる話かと思ってたら、全然違ってました。
母子家庭で苦労して育った中国系アメリカ人のレイチェルは、ニューヨークで若くして大学の経済学の教授になるほど優秀な女性。
付き合って何年かになる彼氏が、親友の結婚式のため、故郷のシンガポールに一時帰国する際に一緒に行かないか、とレイチェルを誘うシーンから映画はスタート。
以下ネタバレありなんですが、レイチェルは知らなかったけどこの彼氏がシンガポールの超大富豪の息子で、紹介された家族(主に母親)からレイチェルは受け入れられず、またあまりの生活や価値観の違いにも戸惑い、この先彼と付き合いを続けるか悩む、というようなストーリー。
観ていくうちに、実はこれはいろんな立場の女性が、それぞれに大切なもののために悩み、戦い、ぶつかり合い、乗り越えていく話だということに驚く。最初重要人物かに思えた彼氏は実はただの記号で、別に大して重要ではなかったんですね。
キーになるのは、主人公のレイチェル、彼氏の母親、その姑(つまり彼氏の父方の祖母)、レイチェルの母親で、つまり全員女性。
最初の「彼女であるレイチェルを家族に紹介する」と、中盤の「プロポーズ」というアクション以外、この彼氏が自発的に取る行動はあんまりない。
それ以外の決断やアクションややりとりは、全て女性側によって行われている。
あまり知られてないと思うんですが、映画における、ジェンダーバイアスの程度を図るベクデルテスト(Bechdel Test)というのがあります。
内容は簡単で、単に以下の3つの質問にイエスと答えられるかどうか。
- 2人以上の、セリフのある女性キャラクターが登場するか?
- その女性キャラクター同士は互いに話をするか?
- その話の内容は、お互いに好きな男性以外のことか?
の3つ。
簡単なようで実は以外と全部満たすのは難しくて、例えば最近の人気映画トップ100のうち、この全ての質問にパスしたのはたった11の映画、という結果もあるくらい。
ハリウッド女優のリースウェザースプーンは、この現状を変えるためにプロダクション会社を立ち上げ、Woman of the year の賞をもらったりもしている。(スピーチもとても面白いのでおススメ)
最近はアナ雪にせよ、こういう映画にせよ、女性の自立と成長を描いた良作が沢山出てきて、まだまだジェンダーギャップはありつつも、いい方向に進んでる感じはある気がする。
と言うわけでこの映画、おススメです^_^