語学習得のコツ②

以下の内容は、私個人が自分自身の経験をベースに書いていることで、言語学の専門家でもなんでもないので、ご留意の上、読んでいただけると幸いです。

また語学に限らず、何かを習得するのに正解はないと思っています。私が独学での英語やプログラミング習得の時に経験したように、どんなやり方でも、粘り強く続ければある程度できるようにはなるんだと思います。ただ、私自身ドイツ語をゼロから習得するにあたって「より効率的」なやり方を追求した結果、たどり着いた一つの解がこの投稿内容であり、実際それで英語の時より格段に速く実用的なレベルに到達することができました。

なので「これだけが正解」というわけではなく、「こういう取り組み方もあるのか」という目線で読んでいただければ幸いです。

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さて、ある言語についてネイティブでない場合、語学習得にはいくつかの段階があると思っています。

①その語学の知識ゼロ。単語が一つもわからないレベル(ゼロレベル)。

②単語と簡単な文法は分かる。単語で意思疎通はぎりぎり可能なレベル。(超初級)

③文章での意思疎通が可能になる。知人や友人と日常会話も少しだけできるようになる(初級)

④ある程度長い文章を使って、すこし込み入った意思疎通ができるようになる。(中級)役所や病院、レストランで複雑な内容でない限り困ることは少なくなる。

⑤複雑な構文を使って、高度な抽象概念や時事問題に関する意思疎通ができる。(上級)

⑥ビジネスレベルかそれ以上(超上級)

上記の分け方は個人的な経験に基づいてますが、ヨーロッパ言語共通参照枠というレベル訳でもA1, A2, B1, B2, C1, C2と六段階になっていて、だいたいこんな感じなので、感覚としては悪くないのではないでしょうか。(ちなみに私自身は、現時点で英語は⑥レベル、ドイツ語は④と⑤の間くらいです。)

そして当たり前ですが、それぞれの段階でやるべきことや最適な教材は全然違うわけです。

経験則的にですが、各レベルで必要だと思う学習は今のところ以下のようになりました。

①ゼロレベル:まずは単語とその発音。あと超基礎の文法。

②超初級レベル:単語と発音。単語と短文が通じるようスピーキング練習。

③初級レベル:単語と発音。単語と短文を話して通じる&聞いてわかる練習。

④中級レベル:より高度な単語と構文のバリエーションを、話す&聞く練習

⑤上級レベル:短いニュースや雑誌、会話やテレビドラマから時事ワードや辞書に載っていない生きた単語を学ぶ。それを、話す、書く、聞くで使えるよう練習(特に「話す」)。

⑥超上級レベル:仕事で高度な表現を日々使い、学ぶ。高度かつ複雑なテーマでエッセイなどを書き、添削してもらう。大学の社会人講座等をうける。ニュースや映画など、スクリプトがない媒体でリスニングとその言語での抽象思考を鍛える。

(「単語」「発音」「スピーキング/話す」という点を強調しているのは、それが一番大事だと思うからです。多くの場合、その言語が実用的なレベルで使えないのは語彙不足だと思います。「(伝わる発音で)話せ」て「意味が分かる」単語の数さえ増えれば、多少構文は怪しくても文章はかなり聞き取れるし、書けるし、読めるからです。ちなみに、「単語」には「動詞や名詞の変化形」も含まれます。)

さて、こうしてレベル別に書いてみると、よくある「ある言語を話せるようになるにはどうしたらいい?」という質問への一律の解などないのが伝わるでしょうか。正解は、「あなたが今どのレベルかによって&どのレベルを目指すのかによって違います」だと私は思うのです。

しかし、多くの人はこの質問に対し「〇〇を習得するにはXXの方法がいいよ」というのを嬉々としてアドバイスしてくれます。しかしそのアドバイスはたいてい、その人自身が「ある一定のレベルの時期に取り組んでうまくいった勉強法」でしかないわけで、「今のレベルでは何をどう重点的に勉強するべきか」という大事な視点が抜け落ちていることを、(アドバイスされる側は)頭に入れておく必要があると思います。

例えば、私がドイツ語勉強し始めた当時、多くの人から「ドイツ語のテレビやラジオをたくさん聞くといいよ」とか「子供向けのドイツ語の本を読むといいよ」とかいろいろアドバイスをもらいました。

が、その当時の私はそのアドバイスをまるっと無視しました。なぜなら、それらは中級か上級向けの教材であり、「テレビやラジオを聞いても右から左へ抜けていくだけ」「子供向けの本でも1ページに知ってる単語が前置詞しかない」みたいな超初級か初級の状態だと、時間ばかりがかかって得るものが少ないということを英語学習の試行錯誤から学んでいたからです。

英語学習のときはそんなこと誰も教えてくれなかったので、それこそ誰かが「〇〇の参考書がいい」と言っていれば中身を吟味せずに買って取り組んだし、大学生のころは憧れだけで「English journal」を読んだり、使えるようになったばかりのインターネットでCNNやBBCを見たりしていました(ちんぷんかんぷんでした)。

しかし、自分の目的とレベルにあってない教材や勉強方法は、「教材の内容がまったくわからない」「やってもやっても上達してる気がしない」という挫折感につながり、上達に時間がかかるばかりか、やる気を挫く原因になるということを、このころに学びました。

経験則ですが、上記の①~⑥のレベルで、2つ上のレベルの教材を使ってしまうと、実力と教材のレベルのギャップで学習が嫌になりがちです。(例えば③のレベルの人が⑤のレベルの教材であるニュースやテレビドラマをいきなり使う、など。)

理想は「自分の今のレベルをターゲットにした教材が90~100%程度わかるようになったら次のレベルの教材へ」だと思います。

英語で散々色々な方法を試して失敗(というか時間を無駄に)してきた結果、今自分が取り組むべきレベルの教材を見分ける目安は自分なりに以下のように落ち着きました。

・その教材の3-5割程度の単語や文法はすでに知っている
・リスニング教材の場合、「こういうことを言ってるんだろうな」というぼんやりとした見当はつくが自信はない
・リスニング教材の場合、スクリプトがついているもの(中級以下の学習者には必須!)。スクリプトを読んで「読めばほぼわかるが聴くだけだと怪しい」レベルの教材がいいです。

なので、感覚的には「ちょっとやさしく感じるレベル」を完璧に仕上げてから次に行く、という感じでしょうか。

多少背伸びをして上のレベルの教材で勉強するのも視界が広がって楽しいのも分かるので、時々はいいと思うのですが、あくまでメインの教材は自分のレベルにあったものでやるのが一番早く効果が実感できるのでは、と思っています。

ここまで「何を重点的に学習すべきか」の「what」を書いてきましたが、特にドイツ語の学習で「具体的にどういう教材やツールを使って」「どういう風に学習してきたか」というhowのところを次の投稿でまとめられたらと思っています。

語学習得のコツ①

すみません、なんと2か月ぶりの投稿です。

早いものでドイツ在住も再来月(7月)でちょうど3年になります。

ハンブルク、ミュンヘンと渡り歩いてケルンに引っ越してきてからも、早一年半強。

とはいえ、相変わらずドイツ人の夫とは英語で話しているし、仕事でも英語と日本語しか使わないので日常生活でドイツ語を使うのは生活の1割以下(役所とか病院とか)。

そんな状態なので、普通に毎日過ごしてるとドイツ語の上達(もしくはダメダメぶり)を実感する機会というのがあんまりないのですが、だいたい1か月に一回ある下記のような家族イベントがわたしにとってのドイツ語力を試す絶好の機会になります。

1.近くに住んでいる義両親が自宅で開くホームパーティ。基本、50代~70代くらいのドイツ人8-10人に囲まれ、4-5時間のディナー。

2.義実家の家族で集まる会(下は7歳、上は80代の約十数名)もしくは家族旅行(数日~2週間とか)。

これがねー、何語でもそうですが言葉があまり分からない状態で参加するのは本当に辛いんですよ。

「なんとか聞き取って会話に参加しよう」と神経を張り詰める状態が4-5時間以上続くと、たいていいつも、会の後半で物凄い頭痛と腹痛、そして疲労感に襲われます(旅行だと一回は寝込みます)。

みんなとってもいい人なので、その場にいること自体はたのしいし、相手も「会うたびに上手になるね」などと励ましてくれるし、なんなら時々英語も挟んで解説もしてくれるんだけど、「話の詳細が分からない」「とはいえ全く興味ない素振りも失礼」「いつ意見を聞かれるか分からない」「うまく話せないので自尊心をゴリゴリ削られる」な状態が数時間(旅行の場合は何日も)続くと本当に辛い。

しかも会話の範囲は、旅行、休暇、ワイン、スポーツ、ご近所のゴシップなどのライトなものから、仕事の状況、諸外国の文化、政治、経済、時事問題、、、と多岐に渡るのでいつの間にか変わる話題についていくだけでも精いっぱい。

いつも疲労困憊しすぎて、こうした会の翌日には必ずお腹を壊していたのです(多分、脳みそがフル稼働すぎて胃が食べた食事を消化できてないのが原因)。

しかし、永遠に続くかに思えたそんな状況にもようやく終わりが見えてきました。

ここ2週間の間にあったホムパ夕食会と家族の集まりで、ようやく「疲労困憊しすぎずに多岐に渡るテーマの会話を楽しめるレベル」に到達したことを実感できたのです!(そして翌日お腹も壊れなかった!)

長かった…

33歳の時にドイツ語ゼロから始めて、MBA留学中&仕事しながら独学で基礎編を学んだ1-2年→ドイツで働き始めたのにドイツ語学習から遠のいた1年(仕事は英語のみだった)→スクールで基礎~上級編まで習った1年→起業の傍ら独学での学習強化(今ココ)

と、足掛け3-4年。

確かに長かったし、もっと早くこのレベルに到達するひとも沢山いるんでしょうけど、個人的には「英語よりもかなり早かった」というのが個人的な感想です。

英語は中高大で計10年、その後の自己研鑽時期も入れると12-13年は、今のドイツ語レベルと同等の英語レベルに達するのに費やしてる気がする。

この大幅なスピードアップを可能にしたのは、やっぱり英語の時に試行錯誤した「自分なりの語学習得の失敗・成功パターン」をドイツ語学習に応用できたからだと思うのです。(実は「今すでにドイツに住んでる」という状況はそんなに役には立ってないというのが個人的な実感。長年住んでても言語話せない人はごまんといるのがその証拠でしょう…。)

ちょっと前置きが長くなったので、次回の投稿で、「私なりに掴んだ語学習得の失敗・成功パターン」をまとめたいと思います。

これはたぶんどの言語にもほぼ共通で、私はドイツ語もうちょいマスターできたら次はフラ語か中国語を狙っています(笑)

ただ、人によって多少の向き不向きはあるのかもしれません。例えば、聞き取って喋るのが得意なタイプの人は綴りを覚えるのが苦手だったり、読むのが得意な人は音を聞き取ってそのまま喋るのが苦手だったり。そういう得手・不得手によってどういう勉強方法が最適かは多少変わるのではないかなと。

ただ、大原則はそんなに変わらないんだろうなとも思います。

ではでは。

ドイツ語C1テストを受けて

メリークリスマス!

皆さまいかがお過ごしでしょうか。

また更新できてなくてすみません。。。

実は先日、2018年の目標にしていたC1レベルのドイツ語テストを受けてきました。

初級のA1から最高レベルのC2まで6段階あるうちの、上から2番目のレベルです。

留学生がドイツの大学を受験するにはこのレベルが要求される、というレベルです。

ざっくり感覚で言うと、英検のドイツ語版である独検の一級くらいらしいです。

まあ、つまりC1取れればかなり「私ドイツ語できるよ」って言えるレベルです。

今年の初めにはまだ初級と中級の間のB1レベルだったので、C1とか雲の上レベルだったし、実際ドイツに何年も住んでる外国人でもC1レベルな人はそんなにいないらしい。

しかし、ドイツに住み続けるなら、目指すべきドイツ語力は、

・ドイツ語で高度な時事テーマ(科学や政治や経済や社会問題)の日常会話をこなせるようになる

だよなーと思いまして。というのも、私が今現在、ドイツ語がそこまで話せなくて一番辛いのって、ドイツ人だらけの食事会や飲み会で、最近どう?みたいな軽いテーマが一通り終わった後に始まる、時事テーマについての議論的な会話の時なんですよ。

いつもじゃないけど、まあ、ある程度の知的水準の人が集まるとだいたいそういうテーマからは逃れられない。

そしてそういうテーマはだいたい白熱するので、1時間とか2時間とか何も分からない、何も言えないまま黙っていることに。

辛いよーーー!!!

てことで、そうした会話に参加できるレベルを目指そうと思ったら最低でもC1、できれば最高レベルのC2くらい欲しいよなぁ〜、となる訳です。

今回、私がやった対策は90%単語力強化。

ただひたすら、問題集から分からない単語を抜き出して調べて覚える。

これだけで、最初はちんぷんかんぷんだった試験問題も、最後の方は7割くらい分かるように。

そしてリスニング力もアップ。そりゃ知らない単語聞いても分かるわけないので、単語強化はリスニング対策にもなることを実感。

残りの10%がエッセイ作文とスピーキング。

で、まだ結果は出てないんですが、多分落ちただろうなと(オイ)

実際受ける前から、「今回受かるのは多分無理」と思いつつ、自分に発破をかけるために受験を決めたので、しょうがないです。

けど、主に対策に当てた1ヶ月半で、私のドイツ語は自他共に分かるくらいかなり伸びました。

やっぱり明確なゴールと締め切りがないと、ここまで伸びるのは難しかったと思います。

てことで、来年にはC1に受かって、なんなら最高レベルのC2目指して地道に頑張ろうと思います。

ドイツ語 リスニングを鍛えるの巻

以前まで通っていたB1クラス(中級1)を終えてテストも受かったので、現在B2(中級2)レベルのクラスに毎朝3時間通っております。

B2になると、使われる単語がぐっと難しくなるだけでなく、単語の組み合わせで意味が変わる表現が多く使われるようになってきました。

まあ、B2というレベルは、大学入試に必要とされるC1レベルの一つ下にあたる、すでに結構難しいレベルではあるんで仕方ないんだけども…

てことで目下の課題は

1. 語彙力の強化

2. リスニング力の強化

の二つに絞られてきました。

1の語彙力は相変わらず、テキストや雑誌で分からなかった単語を電子辞書で引きまくり、履歴機能を単語帳がわりに片っ端から覚えていくという方法を取っています。

地道だ…しかし語彙力強化に近道なし。

2.はDeutsche Welleというドイツの海外向けドイツ語放送のポッドキャストを聞くことにしました。

このブログでも何度も書いてますが、私はリスニング強化にはスクリプト付きの教材が必須だと思ってる人なので、スクリプト付きの教材が豊富かつ興味深いテーマの多いDeutsche Welleは楽しく続けられそうです。

何より、2分程度の短いものから30分とかの長いもの、ゆっくりスピードとノーマルスピード、など、気分や状況、レベルに合わせて色々選択肢があるのが気に入ってます。

しかし大人になってからの語学習得は何度やってもある程度は苦労しますね…英語で培ったノウハウを駆使しているとは言え、ドイツ人の普段の会話についていけるようになるにはまだまだ道のりが遠い…

英語もそうですが、ある程度その言語が使えるようになると、ネイティブも「あ、理解できてるのね」と容赦なく普通のスピードで話し出すので、おいおいもっと手加減してよー!と思う毎日です(苦笑)

語彙力アップの秘訣

最近、ドイツ語の語彙を増やす努力をしています。中級レベルの文法が身につくと、あとは語彙力があればかなりドイツ語が理解できるようになる(これはたぶん英語やほかの語学も同じですね)ので、語彙を覚えるのは苦痛ですが、本や雑誌、テレビがどんどん理解できるようになるのは楽しいです。

英語を身に着けた時の経験から気を付けているのは、「語彙の習得」と一言でいっても実は何段階かあるということ。ざっくり分けると

レベル1.「読んで(目で見て)意味がわかる」

レベル2.「聞いて(音で)意味がわかる」

レベル3.「自分で使いこなせる(書く・喋る)」

という感じでしょうか。

私の大昔の日本での受験勉強(でもたぶん今もそんなに変わってない)を振り返ると、日本の受験英語で問われるのってほぼレベル1で、レベル2と3はかなり限定的だと思うので、一般的な日本人が「勉強したのに英語が聞けない、喋れない」のは単に語彙の理解をレベル2,3に引き上げる訓練が足りてない(そもそも受験で問われないのであまりやる必要がない)だけだと思うんですが、違いますかね。もちろん、レベル1の語彙が足りてない場合は問題外ですが。(余談ですが、もし日本の受験英語にTOEFL(TOEICではなく)が導入されたら、レベル2と3の語彙理解が相当要求されるので、おそらく日本人の英語聞ける・喋れる率はかなり上がると思っています。)

というわけで、私のドイツ語学習でもまずはレベル1の語彙をひたすら増やすとこから始まり、その中から普段よく使う語彙を中心にレベル2、3に引き上げていく、という地道な作業を行っております。

以前の投稿で、効率的に語彙を増やすには、「まず頻出100語を覚える→市販の単語帳で覚える→単語帳を卒業したらあとは自作の単語ノートを作って覚える」という方法をおすすめしたんですが、実は個人的に最後のステップの単語をノートにまとめる作業がかなり苦痛だったんですね。ノートを持ち歩くのも面倒だし書き写す時間がもったいないなと。

その後こちらのドイツ語独学方法の紹介ブログで「電子辞書の履歴機能を利用した単語復習」という方法に出会い、「辞書で調べた単語の履歴が即単語帳代わりになる」「しかも調べなおすと履歴の最初に再表示されるので、自動的に覚えてない単語から順に表示される」という画期的な方法でかなり効率的に語彙を増やせるようになりました。

やり方は超簡単で、使っている電子辞書の履歴機能に残っている単語をひたすら復習していき、覚えていなかったら再検索し、上位に表示されるようにする。というだけのもの。(むしろなぜ今まで気づかなかった!という簡単さ。)

ええ、地味です。が、語学に限らず学習というのは多くの場合地味な努力をひたすら続けた人だけが前に進めるものだと思っているので、心を無にしてひたすら繰り返します。覚えれなくても感情をさしはさまず、何度も何度も繰り返す。

これを1日5分でもやると、1-2週間後には「あれ、わかる語彙が増えたな」と感じるくらい効果が出ています。

ドイツ語に限らず語学系の勉強をしている方、おすすめです。

(おまけ)

ちなみに、私は語学学習では電子辞書の使用をおすすめする派です。今どきアプリやインターネット、グーグル翻訳でもある程度の「意味を調べる」というニーズは満たしてくれるのですが、辞書はそれ以上に役に立つからです。

辞書を使う利点は、

1.複数の意味を網羅的に提示してくれる
2.豊富な例文がついており、使用例とともに学べる
3.音声も聞くことができる
4.辞書機能に特化しているので「勉強しているはずがついうっかりSNS・ゲーム」とかの誘惑が少ない
5.履歴機能を活用することで自分だけの単語帳として使える
6.プロによる編纂なので信頼性が高い

など、たくさんあると思っています。逆に使わない理由が見つからないくらいです(あるとしたら「高価」くらいか)。

この電子辞書、おそらく日本に独特のもので、外国人にはかなり珍しがられます。しかし私は電子辞書はウォークマン(古い)と並んで日本が世界に誇れる明品で、電子辞書が使えるという一点で日本人の語学学習者はすごく恵まれているとすら思っています(笑)

単に短期の旅行や「あいさつ程度言えればいいや」レベルならたくさんあるアプリで十分だと思いますが、「ある程度きちんとコミュニケーションとれるようになりたい」と思うならこうした辞書を使った地道な勉強がどうしても必要だと、語学の天才でもなんでもない凡人の私は思うのでした。(私も最初はいろんなアプリを使ってみましたが、結局この地道な勉強法に戻ってきました。)

ちなみに、もちろんこうした地道な方法以外で習得していく方法もありますが、どんなやり方でも結局は「継続」ができないとほとんど身に付かない。逆に言うと、どんな方法でも自分が「継続しやすい方法」さえ見つけてしまえば、そのうち身につく。例えると、山の頂上に登るのに複数のルートがあるけど、どんな最新装備でも最新ルートでも「登り続ける」ことをしないと絶対頂上にたどり着かないのに似ていると思ったりします。まさに「継続は力なり」。

ドイツ語と格闘

ドイツ語、相変わらず勉強中です。色々な方法を試してみてますが、英語を習得した経験も踏まえて効率性重視で試行錯誤した結果、現在集中的に取り組んでるのは以下の4点です。

・語彙力強化

英語もそうですが、語学はなにはともあれまずは語彙力。苦痛ですが、ドイツ語は日本で由来を知らずに使ってる単語も時々出てくるのでそれだけを楽しみに(でも辛いけど)ひたすら暗記。

暗記する対象は、まず「Most commond 100 german verbs」などとGoogle検索して、よく使われる単語を集中的に暗記。ドイツ語は単語がくっついて別の意味になることが多いので、「よく使われる単語」を集中的に覚えれば、後から出てくる単語もなんとなく意味が分かるようになる。(例:geben(与える)→ausgeben(分配する))

この際、動詞の場合は「現在形(主語によって形が変わる…)」「過去形」「過去分詞形」、名詞の場合は名詞の性(Der, Das, Die)と複数形も暗記。英単語の「go went gone」のように呪文を唱えるごとくひたすら暗唱&書く。ああ、苦痛。

Most 100 verbs/nounsがほぼ覚えれたら市販の単語帳、単語帳もほぼ覚えられたら自分で作った単語帳(文章読んで分からなかった単語と意味をノートにまとめたもの)という順です。いきなり自分で作った単語帳でもいいですが、初級のころはほとんどの単語を書き出すことになり時間の無駄なので、すでにあるものの使用がおすすめ。

・ライティング

ライティングの上達には二通りの方法があると思っていて、その両方をバランスよく進めることを意識しています。一つ目が「すでに自分の中にある表現・語彙で文法的に正確な文章が書く練習をする」こと。そして二つ目が「表現の型の幅を広げる」こと。

前者のためには、「あるテーマ・お題について自分で書いて添削してもらう」というよくある方法で練習し、後者のためには「教科書の手紙やEメールを書き写して表現の「型」を学ぶ」という方法をとっています。ちなみに私の現時点での労力の配分は前者(自分で書いて添削してもらう):後者(型を学ぶ)=1:3くらいかな。自分のレベルやその時々の勉強の目的によって、この配分は常に変わっていくだろうなと思います。

・スピーキング

英語と同様、やはりスピーキングとリスニングは苦手です(苦笑)が、いくら読めて書けても喋れて聞けないと対面のコミュニケーションとして成立しないので、なんとか頑張る。。。私は根暗なので、英語でもそうでしたが一番効果的な方法は「独り言」です(苦笑)。一人で脳内または口に出して「あるテーマ」について会話を繰り広げます。例えば「休暇or週末どうだった?」と誰かに聞かれたと想定して(ちなみにこれはドイツでは「かならず」聞かれる質問)会話を考え、ある程度考えたところで紙に会話文を書き起こし、なんといっていいかわからなかった単語を調べる。あとは、ある写真や風景を誰かに説明するとしたら…と自分で決めたお題に対して同じことをする。

実は、次で挙げるリスニングはスピーキングの練習にもすごく役立っていて、リスニング教材で出てきた言い回しをマネできるよう暗記すると、かなりスムーズにドイツ語が出てくるようになりました。なのでリスニングの時には、単に「内容を聞き取る」ことに終始せず、何度も聞いて「言い回し」まで吸収してしまうのが上策。

おっと、今書いていて気付きましたが、この「自分で話して&書いてみる」と「リスニング教材から会話表現のインプット」も、ライティングのところで書いた「自分の持っている語彙でのアウトプット」と「新しい表現の型のインプット」の二本立てと同じになってますね。やっぱりこのアウトプット&インプットの法則は「学習」の肝だなと書いていて実感。

・リスニング

リスニング教材はなんでもいいんですが、個人的に大事なことは「同じ文章を何度も聞くことができる媒体であること」と「スクリプトが入手できる教材であること」だと思っています(あと、あえて言うなら自分にとって難しすぎず簡単すぎないもの)。なので、一般のラジオやテレビはあまり語学学習の教材には向いてないと思います。

実はドイツ語を勉強していると言うと、周りから「ドイツ語のラジオやテレビをいつも視聴してればわかるようになるよ」というアドバイスをたくさんもらいましたが、私は英語学習の経験から「まったく分からない言語をただ聞き流しても(少なくとも私は)ぜっっっっっったいに語学はできるようにならない」ということが骨身にしみていたので、それらのアドバイスは丁重に聞き流しています(笑)ちなみに、ビジネス英語に困らないレベルになった今では、「CNNとかBBCを聞き流すだけで映画を勉強できる」ようになりましたが、それはあくまで「その内容をほぼ聞くだけで理解できるようになり、わからない部分についても「たぶんこうだろうな」と予想できるレベルになったから、聞くだけでも勉強できる」ようになったのであって、まだまだ低レベルな私のドイツ語で同じことをしても、よく眠れるようになるだけです(笑)

それと、人によっては聞いてるだけで語学を身につける人もいるし、そういう教材もありますが、私は「視覚重視型」の人間なので、語学だけでなくいろんなことが「視覚として捉えて初めて理解できる」というタイプなのです。

これまでの人生経験から自分は「視覚重視」の中でも「文字重視」なんじゃないかと勝手に思っています。例えば、人の名前でも「マリエです」とか言われても全然覚えられないんですが、「植物の麻の「麻」に理科の「理」に江戸時代の「江」です」とか言われて「麻理江」と頭の中に描くと、かなり覚えられる。受験勉強なども「あの参考書のこの辺にこういう写真と一緒に書いてあった」などと記憶しているタイプでした。(ちなみにうちの旦那さんも同じらしく、「文字情報だと覚えやすい」と言っていました。)

なので、語学学習でも、耳から入ってきた情報を目から「文字」として再インプットすることで「ああ、この音はこの単語なのか」と脳内で情報を結び付けることで、次に同じ「音」を聞いた時に「あの単語だ」とすぐに思い出せるような気がします。

この「自分がどの種類のインプットを好むタイプか」というのは、実はかなり重要な点だと思っていて、人によっては聴覚の方が優れていたり、どちらかが苦手だったりするようです(ドイツ語クラスにも「聴くのと喋るのはいいけど、読み書き苦手」というタイプも多くいます)。なので、人それぞれ「自分はどういう方法でインプットされた情報を記憶しやすいか?」という点を踏まえることが、「自分に合う方法を取捨選択する判断基準」になってくれるので「効率的な」習得方法への一方法かなと思います。

あと上記4点には「文法」を入れていないのですが、私「文法」だけを学ぶのってめちゃくちゃつまらないと思うんですよ。「英文法」とか聞いた時点で眠くなりません?(私はなります。)なので、ドイツ語も「文法」というものだけの勉強はしてません。上記の4点の学習を進めていく中で遭遇した文法を「その都度」「ついでに」学習しています。その方が「よく使われる文法」に限って勉強できるので実践的で効率的だとも思っています。ただ、本当の初級者は語彙と合わせて超基礎の文法は勉強した方が効率がいいと思うので、それ以降の文法は「その都度」学習ということにしてます。

と、色々書きましたが、書きながら自分自身へのいい振り返りにもなりました。語学(やその他スキル)習得中の方の感想が聞いてみたいな~。

ドイツ語勉強 基礎編:いまさらながら〇〇式

「ドイツ語は難しい」とみんな言うし、ドイツ人もそう言う。確かに難しくはあるけど、とても理路整然としているし英語に似ている部分も多い*ので、例えば昔大学のころ第二外国語として勉強していたスペイン語よりは個人的には納得しやすい言語だと思っています。(スペイン語も大好きですが。)

*:この「ドイツ語は英語に似ている説」も曲者で、たまにその説を拡大解釈して、英語ができればドイツ語をそんなに勉強しなくても理解できると思っている人もいるのだけど、そういうわけでは全くない。例えばドイツ語とオランダ語はとても良く似ているのでお互いの言語を全く知らなくても「相手がゆっくりしゃべっていればなんとなく理解できる」というレベルでは意思疎通できるらしいが、英語とドイツ語はそこまでは似ていない。私は韓国語を勉強したことがないので推測だけど、たぶん日本語と韓国語のような感じだと思う。文法や言葉の成り立ちが似てはいても、意思疎通しようと思えばやっぱりかなり勉強しないと無理。

で、まだ日本にいる間に始めたのが「公文式」。なんとドイツ語とフランス語のコースがあるのです。私は子供のころ公文式はやっていなかったので大人になって初めての公文式。

これは文法と基礎的な語彙力の強化に役立っています。(CDもついているので、聞いて発音して、という勉強にもなるけど、私は主に文法の習得のために続けています。)

通信教育方式でやっているのですが(教室に通いたい人は通う選択肢もあり)、週に一回先生が電話で学習範囲を解説してくれます。私の場合1回だいたい30分くらい。

ドイツに来ても細々続けていて、プリントを日独で往復したり、電話での解説もスカイプで続けています。

この先生(どうも公文式の先生に共通する方針のようなのだけど)の生徒との間合いのとり方が絶妙で、先生から「これだけやりなさい」とか「これだけしかできてなかったの」という進め方へのジャッジはまっっっっったくないんですよ。生徒の進捗がどれだけ亀の歩み(というかそもそも進んでない)ようなときでもものすごく対応がアッサリしてる。「あ、そうですか。ではまた。」みたいな。

普通、あまりに学習が進んでない期間が続くと「先生に悪いなぁ。呆れてるかなぁ。」というような心理が働いてだんだん再開するのが億劫になるのですが、この「別に先生のためにやってる勉強ではなく自分自身のためなんで、進めるのも進めないのも学習者の自主性に任せる」というスタンスの徹底ぶりはなかなか衝撃的です。

休会・復帰も簡単で、前月に先生にメールで「すいません、今忙しくて公文進めれないのでちょっと休会します」「時間できたので復帰したいです」と連絡すれば、それもアッサリ「はい、わかりました。」となります。日本を離れる際、ドイツとのやり取りもダメ元でお願いしてみたら「ああ、いいですよ。以前にもそういう生徒さんいましたし」と。

この「続けることへの心理的・手続き的ハードルの低さ」はすごいなと思います。そうですよね、大人より自制心の利きにくい子供たちが続けられるっていうことは、時間のない大人にも実は続けやすい仕組みになっているってことなのでしょう。

公文は実は世界中に展開していて、ドイツにもちょこちょこあります。(そこではドイツ語のコースはないみたいですが。)

もしも英語・ドイツ語・フランス語を基礎から勉強したいと思っている方、おすすめです。

大人の公文式

日本語習得コースもあるようなので、旦那さんにも勧めてみようっと。(旦那さんも日本語勉強中。)

また、別の投稿で私のお気に入りの「リスニング」「スピーキング」「リーディング」「ライティング」の練習法も紹介していこうと思います。私もまだまだ試行錯誤中ですが、なにか役に立てればうれしいです。

ドイツ語の必要度inドイツ

昨日ミュンヘンの自宅近所のヘアサロンに行ったところ、日本人の美容師さんがいたので、その人にヘアカラーをしてもらっている間、色々質問してみました。

どうやら、彼はドイツ生まれでそのあと日本にしばらくいたけど、ドイツ語はまあまあ喋れるらしい。

私が、「ドイツだとある程度大きな都市ではドイツ語できなくてもそんなに困らないから、なかなかドイツ語上達する機会がなくて困ってます(笑)」

と悩みを打ち明けたら、

「あー、そういう人多いよねー。知り合いに『最近、ドイツ語上達した?』とか聞いても『いやー、英語で通じちゃうんで、もういいかなって。』とかいう返事が多いよ。」

と返されてしまいました。

うっ、自分もそうなりそうで怖い(苦笑)

ということで、さっそく昨日からドイツ人の旦那さんにドイツ語で話しかける&メールする頻度を増やしました(笑)

 

おススメのドイツ語勉強法についても今後書いていこうと思っております~。

ドイツ語習得への道

ドイツに住んでるんですけど、実はあまりドイツ語喋れなくても困ってないんですよね…ハンブルクとミュンヘンというドイツの中では大きな都市にしか住んでないので、サービス業のみなさんは結構英語喋れる。私が頑張ってドイツ語喋っても、たどたどしいのを見かねて英語で返されることもしばしば…

仕事も家庭も英語のみなんで、余計に喋れなくてもやっていけてしまう…

しかし!

ドイツに嫁に来たからには、ドイツに骨を埋める覚悟なわけですから、これはもう絶対ドイツ語で仕事がバリバリできるレベルになりたいというのが目標なわけです。はい、今ハードルめっちゃ上げました。

なんつっても、英語でも仕事が困らない程度にできるレベルになったのは、結構ここ数年なんですよ。英語、アナタ何年勉強しました?中学高校大学の10年間プラス社会人になってからもずっと勉強してた訳だから、もう20年くらいかかってる計算な訳です。ドイツ語も同じだけ時間かかったら50歳超えてまうがな!

てことて、英語勉強してた時よりかなり時間的に巻いていく必要があります。

ただ、英語を20年かけて勉強した時よりも短い時間でドイツ語を習得する希望もある訳です。例えば、

・ドイツ語はとっても難しい言語ではあるが、言語学的に英語に非常に近い言語である。つまり、英語を習得していることで、ドイツ語の習得にプラスになる可能性が高い。

・英語を習得した経験から、どうやったら言語を習得できるのかのノウハウがすでに自分の中に出来上がっている。言語学習には、howとwhatの掛け合わせが必要で、howはどうやって学習を習慣化するか、どういうツールを使うか、どういう勉強方法(1人で地道に、学校に通う、実戦で磨く)が自分に向いてるか、など。whatはまずは基礎的な文法と語彙、あとはspeaking, listening, writing, readingの分量配分(日本人はwritingとreadingが得意になりがちだから、speaking とlisteningに多めに時間を割かないといけない)。などという方法論がすでに自分の中に確立している。

・あと、英語を日本で勉強してた時と圧倒的に違うのが『今まさにもうドイツにいること』。ドイツ語を使おうと思えば使える場面にいるっていうことは、語学習得において1番のアドバンテージでしょう

ってことで、これからモチベーション維持の目的でこのブログに時々ドイツ語習得状況を書いていくことにしました。

ちなみに今のレベルは、ヨーロッパ言語習得の国際的レベル分けで、B1(中級1)で、この上にまだB2,C1,C2と三段階あります。

B1だと、

仕事、学校、娯楽で普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば主要点を理解できる。

その言葉が話されている地域を旅行しているときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。

身近で個人的にも関心のある話題について、単純な方法で結びつけられた、脈絡のある文を作ることができる。

経験、出来事、夢、希望、野心を説明し、意見や計画の理由、説明を短く述べることができる。

うーん、まだまだな感じですよね。(『野心を説明』って、なんかすごいな(笑))

これが最高レベルのC2になると、

聞いたり、読んだりしたほぼ全てのものを容易に理解することができる。

いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構成できる。

自然に、流暢かつ正確に自己表現ができ、非常に複雑な状況でも細かい意味の違い、区別を表現できる。

と、もうかなり上級者な感じ。ここを目指して頑張ります(無謀)!

実は、同じドイツに住む日本人女性のブログに大変刺激を受けたというのも、このブログにドイツ語について書いていこうと思ったきっかけなのです。彼女の『不完全な時期も今だけの特権!楽しまにゃ損損』的な発想に励まされ、今のまだまだなドイツ語レベルからでも自分を卑下せず前向きに頑張ろうと思えるように。

勉強方法などについても書いていこうと思いますので、同じくドイツ語習得を目指してる方だけでなく、他の第二外国語を勉強してる方、英語を習得したいと思ってる方にも参考になるかも?てことでお楽しみにー!